MAPMENUPV貸し展示スペース旅の情報ノートສະບາຍດີ!(さばいでぃー!; ラオ語でこんにちは!)
Cafe & Bar ສະບາຍດີ店主です。
ベトナムへの買い付けの旅から帰ってきました。
弊店は通常営業しております。
ベトナムの旅の話はもう少し続きます。お付き合いください。
Đà Lạt ダラットの天気について書こうと思う。突然なんやねん?ダナン行きのバスに乗り、今日からダナンの街の話なんやろ?
そう思ったアナタ。人生は、思うようにいかないことの方が多いのだ。
いや、だってさ。
小学生並みの作文力で仕事の報告書を仕上げたり、
キモい声を出しながらコースターに乗ってみたり、
ナンパ話を語ってみたり。
こいつアホちゃう?
そう思われても仕方ないだろ?でもそれは世を欺く仮の姿で、本当はもう少し賢い話もできるんだというところをみてほしい。
能ある鷹は爪を隠すというけれど、隠しておけないあたりに、レベルの低さを感じるな。
まあ、そういうわけで、今回はアカデミックな話になる。中学生の頃に戻って、理科の授業を聞くような感じでリラックスしていただきたい。リラックスしすぎて、寝てもらっても構わない。
ダラットのバスターミナルに着いたときの早朝の景色。この後空はどんどん晴れていった。バスターミナルからホテルへ向かう途中、湖の辺りなんか写真に撮ったら映えるな〜なんて思ってた。そう、あまりにきれいなので写真を撮りに行こうと思ったのだ。
ところが、である。
ホテルにチェックインし、バイクを借りていざ外に出てみると、空はどんより曇りだし小雨が降る始末。
合羽を着なくてはいけないほど降ったわけではないが、これ、全然映えてないよ。
この日はもう天気に期待はできそうにない。早朝写真に撮っておけばよかったと思ったが、仕方ない。後悔先に立たず、である。
覆水盆に返らず
ともいう。今回は、店主のアカデミックな一面をみていただきたいので、持っている知識をフル活用することにする。
英語でいうなら、
It is no use crying over split milk.
である。
ちなみに、「覆水盆に返らず」という故事成語は、大昔の中国であまりのダメ男ぶりに妻に見切りをつけられ離婚された男(太公望・呂尚とする説や朱買臣とする説あり)がその後出世し、復縁を願った元妻に言い放った言葉からきているそうな。
「この地面に落ちた盆の水を、元に戻すことができたら復縁してやろう。」
もうどうしようもない。という意味になると思うのだが、その英訳として学生時代に覚えた
"It is no use crying over split milk."
というのは、実は意味が異なるという説がある。この英語は、「こぼれてしまったものは仕方がない。新たに注げばいいのさ。」というニュアンスを含んでいるというのである。
そういえば、昔店主が失恋したときに先輩(女性)がかけてくれた言葉を思い出した。
「え!失恋したん?次、次―!」え!もう少し他になんか言葉ないんか?「話聞こうかー」とかさー。
まさに"It is no use crying over split milk."である。なんともポジティブな思考だな、先輩。
もしも店主が復縁を迫る元妻だったら...こんなこと言われてもまだ復縁したいと本気で思っていたら...
地面ごとこぼれた水を回収し、蓋をした鍋に入れて煮沸。蓋に付着した水滴を盆に戻し、ほらほら!覆水盆に返したぞ!と小躍りしながら夫を手中に収めるな。100℃で沸騰した水を分離したのだ。物質固有の沸点の違いを利用して分ける。これを理科の専門用語で、
蒸留(じょうりゅう)という。
覆水でよかった。これがsplit milkだったら不可能だったぜ。
さて、話は唐突に天気に戻る。曇り空から小雨まで降ったダラットの朝だったのだが、しばらくするとこの通り晴れ渡った。
おおー、すげー。写真も撮れたし、よかったね。
...
これで終わってはいけない。ちがう、ちがうんだよ。店主が言いたかったのは、店主の滞在した3日間、こんな天気だったということだ。
朝晴れたと思ってたら曇りだし、雨を心配するような天気になる。それがお昼前になるとカラっといい天気に回復する。1日や2日なら、そんな日もあるねと思うだろう。でも3日連続だぜ。いや、店主のいた3日間がたまたまそんな天気が続いた。珍しいね。で、終わらせたら話が続かない。
やはり理系卒の店主としては、なぜこのような天気が続いたのか説明したくなるのだ。
ちなみに意外と驚かれるが、店主はちゃんと理系学部を卒業している。それが証拠に、同じグラスで別の種類のお酒を飲むとき、新しく注ぐお酒を少々入れてちゃんと共洗いするし、カクテルを作るときはちゃんとガラス棒を使って攪拌する。なんなら、
スターラーや
ボルテックスで攪拌してもいいとさえ思っている。ほらね、理系卒だろ?
さて、そろそろ本題に戻ろう。なぜダラットの天気が早朝は晴れているのに、その後小雨が降るようになるのか。
そのことを理解するためには、まず雲ができて雨が降るシステムを理解する必要がある。
雲というのは、空気中の水分が小さな小さな水滴となって空に浮いている状態をいう。その小さな水滴が集まり大きくなって空中に浮いていられなくなり、
重力に魂を縛られて落ちてくるものを雨という。
つまり、雲ができて雨が降るということだ。当たり前のことじゃん。その通りだ。
では、なぜ雲ができるのか。そこがポイントになる。
先ほど述べたように、空気中の水分が小さな水滴となって浮いている、それが雲の正体である。
空気中の水分とは何か。
ここだけの話だが、空気には水を水蒸気という気体の形で取り込む能力がある。
バ バ ァ ア ー ン能力はッ!
水ッ!水をッ!気体として取り込むことができるゥウウウ!
ド ド ド ド ド ド ド ド ドハッ!
ここで、水蒸気というものについて少し確認しておきたい。実は、誤解している人がけっこう多いのだ。
ここにッ!ここに、一枚の写真があるッ!
ブッたたいて、いちいち3万円もするカメラをブッこわして撮った写真だがなッ!
青く映っているのがッ
敵のスタンドあ、いや、なんでもない。忘れてくれ。
青い線で示したのは、ポットの中の水が一度沸騰した後、注ぎ口から出てきて白く煙ったように出ているものだ。
これを水蒸気と誤解する人が、実はけっこういる。
冗談ではないっ!(ズゴックに乗ったシャアが、ウッディ大尉のホバークラフトに対して放った緊迫感でお願いします)
水蒸気というのは水の三態(固体・液体・気体)のうち気体の状態を指し、無色透明である。つまり、人間の目で見ることはできない。
では、この白いものは水蒸気でないとすれば、何なのか?
100℃で沸騰した水が水蒸気(気体)となって液面から出ていく。沸騰するお湯の中でぼこぼこ沸いてくるあの泡は、空気なんかじゃあないッ!あれが水蒸気(気体)なのだッ。水蒸気は液面からポットの中へと出てくるが、液体から気体へと形を変えた水は、その体積を大きく変える。約1700倍まで膨れ上がるのであるッ!もちろん、ポットの中に収まりきれない水蒸気は、ポットの注ぎ口から外へ出ていく。そこで外気によって冷やされた水蒸気は、気体から再び液体に戻る。小さな水滴となって上がっていく。それがこの白いものの正体だッ!それを人はッ!
湯気と呼ぶッ!
ということで、じゃあ水蒸気はどこにあんねん?と言われると、ここだッ!
ズ ッ キ ュ ウ ー ン赤い丸で示したところ、無色透明の気体が水蒸気なのだ。
これだけ引っ張って店主は何が言いたかったのか。つまり、水蒸気というのは無色透明で目に見えないものだということ。見えないのだが、空気中には水分が含まれている。含まれる水分が多いと湿度が高いといい、少ないと湿度が低いという。
空気1㎥中に含むことのできる最大の量を飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)といい、その時に実際に含まれている水蒸気の量を飽和水蒸気量で割った百分率で湿度は求められる。
湿度(%)=
空気1㎥含まれる水蒸気の量(g)
―――――――――――――― × 100
飽和水蒸気量(g/㎥)
例えば、飽和水蒸気量23.0g/㎥の空気1㎥に12.8gの水蒸気が含まれていた時の湿度は、
12.8
―――×100 = 55.65... ≒ 55.7%
23.0もしもーし。もしもーし!
こんなところで寝てたら、風邪ひきますよー?
この手の計算ができてきた途端に拒絶反応を示してしまう人のために、たとえ話で説明してみよう。あ、すでに理解している人は、この後の説明は読み飛ばした方がいい。かえって理解しづらくなるかもしれないから。
読み飛ばす方はこちらをクリックしてください
空気を店主にたとえてみよう。そして、1㎥中に含むことのできる水蒸気をビールに置き換えてみる。
こうだッ!
店主は、1日に瓶ビール10本まで飲むことができる。これを、店主の飽和ビール量という。この時実際に飲んだビールの本数を飽和ビール量で割った百分率を店主のビール湿度という。この日店主がどれだけビールでうるおっているかを示す数字だ。
例えば、昨日店主は瓶ビール5本飲んだとする。
飲んだビールの本数 5本
――――――――――――×100 = 50%
店主の飽和ビール量 10本つまり、昨日の店主のビール湿度は50%だったということだ。
10本飲むと、
飲んだビールの本数 10本
――――――――――――×100 = 100%
店主の飽和ビール量 10本ここで1つの疑問が生じる!では、11本飲んだら、どうなるのか?飽和ビール量を超えて飲んだとすれば?
実際に飲んだビール11本−飽和ビール量10本=ビール1本分、リバースするのであるッ!これと同じことが、空気でも起こる。すなわち、飽和水蒸気量を超えた水蒸気が空気中に含まれた時、超えた分だけ水蒸気が気体から液体の水となって現れる。空気が水蒸気を液体の水としてリバースするのだ!安心してほしい。汚いものではないから。
ところでこの飽和水蒸気量だが、条件によって空気中に水蒸気として含むことのできる水の量が変わってくる。
こういうことだ。店主は1日にビールを10本飲むことができるが、日によっては体調が異なる。例えば、体調が悪ければ1日に8本しか飲めないこともある。
そんな時にビールを5本飲んだとすると、店主のビールうるおい度を示すビール湿度は、
飲んだビールの本数 5本
――――――――――――×100= 62.5%
店主の飽和ビール量 8本となる。同じ5本を飲んだのに、ビールうるおい度が上がっている。
さらに、めっちゃ体調が悪くて1日にビール2本しか飲めない時は、
実際に飲んだビール5本−飽和ビール量2本=ビール3本ビール3本分、リバースしてしまう。
これと同じことが空気でも起こっているのだ。繰り返して言おうッ!安心してほしい、汚いものではないから。
空気の場合、飽和水蒸気量を変えてしまう条件は、気温だ。
気温が上がると飽和水蒸気量も大きくなり、気温が下がると飽和水蒸気量も小さくなる。そのグラフはWikipediaによると、次のようになる。
飽和水蒸気量のグラフ(Wikipediaより)例えば、25℃の空気の飽和水蒸気量は23.0g/㎥である。まさに、先ほどの空気だッ。この空気1㎥には12.8gの水蒸気が含まれていて、その時の湿度は55.7%だった。
この空気の気温が30度まで上がったとしよう。30℃での飽和水蒸気量は30.3g/㎥なので、
12.8
―――×100 = 42.24... ≒ 42.2%
30.3同じ空気でも、気温が上がると湿度が下がることになる。
逆に、この空気が20℃まで気温が下がったとしよう。20℃での飽和水蒸気量は17.2g/㎥なので、
12.8
―――×100 = 74.41... ≒ 74.4%
17.2同じ空気でも、気温が下がると湿度が上がるのだ。
この空気が15℃になったとしよう。15℃での飽和水蒸気量は12.8g/㎥なので、
12.8
―――×100 = 100%
12.8湿度100%の世界だ。勘違いしてはいけない。「湿度100%って、水の中じゃん!」
断じて違うッ!
15℃の空気ならその空気1㎥中に12.8gの水蒸気が含まれているに過ぎない。決して水の中などではない。
理科の専門用語で、
露点(ろてん)に達したという。
さらに気温が下がり、10℃になったとしよう。10℃での飽和水蒸気量は9.39g/㎥なので、
空気1㎥中に含まれる水蒸気12.8g−飽和水蒸気量9.39g/㎥=3.41g空気1㎥中につき、3.41gの水が液体となって
リバース、いや、現れるのだ。
こうして現れた水滴が、冷たい飲み物を入れた時にコップの周りに着いた水滴であったり、寒い日に壁や窓にできる結露だったり、寒いところから暖かい部屋に入った時に眼鏡がくもる原因だったり、そして上空に浮かぶ雲だったりする。
雲のできるところでは、雲のできる場所とはいったいどんなところだろうか。
空気が露点に達し、水滴ができるところである。それは、空気が冷やされる場所であり、空気が膨張(膨らむ)場所でもある。
そこは、空気が上昇する場所だったのだッ!
空気が上昇すると、まわりの気圧がより低いところへ行くことなる。まわりからあまり強く押されなくなった空気は、膨張する。これはイメージしやすいだろう。膨張した空気は気温が下がる。このことは浮き輪の空気を抜くときに実感することができる。浮き輪にたまっていた空気を抜くとき、浮き輪の中の空気は膨張することになる。出てくる空気に顔を当ててみると、ひんやり気持ちい〜い。なにも風が吹くから気持ちいいだけではない。膨張した空気の気温が下がっているから気持ちいいのである。
すなわち、
空気が上昇する場所には雲ができやすいということだッ!
謎は全て解けたッ!真犯人はこの中にいるッ!ここで思い出していただきたい。ダラットの町が高地にあるということを。郊外からダラットへ向かう道は登り坂になっていた。つまり、ダラットへやってくる空気は上昇してきているのである。
朝方ダラットへ上昇してきた空気は露点に達し、雲を発生する。晴れていた空はどんよりとした曇り空に変わり、やがては小雨を降らす。
しかし、昼前になって天気はみるみる回復していく。なぜか。
気温が上がるからだッ!
太陽の光によって地面が暖められ、そのまわりの空気も暖められていく。暖められた空気の飽和水蒸気量が大きくなるから、空気中に浮いていた小さな水滴は、その中に水蒸気として取り込まれていく。雲が消えていく瞬間だ。
そう。ダラットの町に上昇してやってきた空気は露点に達し雲を発生した。しかし日中気温が上がるにつれて飽和水蒸気量が大きくなり、水蒸気として空気中に取り込まれてしまった結果、雲が消えてしまったのだ。
こんななぞ解きをしながらだらっと過ごした、ライダーズカフェ
"Woodstock coffee Đà Lạt"←どうしても言いたかった。
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